アイフル被害対策全国会議
5000円訴訟第1回口頭弁論が行なわれました
意見陳述書
神戸簡易裁判所御中
平成17年11月7日
住所
氏名
  1. 本件訴訟の原告である●●●●と言います。本日は裁判所において意見陳述(いけんちんじゅつ)の機会を与えて頂きまして、ありがとうございます。
  2. 私は、平成14年4月ころ,友人に勝手に保険証を持ち出され,アイフルを含む4社のサラ金からお金を借りられてしまいました。その後は,その友人との関係からやむを得ず返済をしていましたが,その結果、平成16年11月の時点で,4社からの借入額はかなりの額にのぼっていました。
     それ以前から、健康上の理由で,すでに生活もまともにできない状況となっていたこともあり、平成16年11月から,何とか生活保護をいただけるようになりました。
     頂いた約10万円の生活保護費をできるだけ切詰め、少しでも借金を返そうとしましたが、毎月の支払いを約束通り行うことは到底不可能でした。
  3. 毎月の支払いが遅れると、アイフルを含めサラ金から毎日電話がかかるようになりましたが、お金を工面できないので、「月末まで待って欲しい。」とお願し,出来る範囲で支払っていくことしか私には出来ませんでした。
     このままでは自殺するしかないのかと考えましたが、12月下旬に思い切って、市役所の無料相談会に行ったところ,そこで「弁護士会に行くように。」と言われました。
     平成17年1月17日の月曜日に,弁護士会で弁護士の先生に相談しました。
     すると,弁護士の先生は,「あなたの状況をお聞きすると,自己破産しかないと思います。詳しい打合せをしますので,来週の火曜日に私の事務所に来てください。自己破産をするのですから,今日から一切,どこからも借金をしてはいけないし,どこから請求されても返済をしてもいけませんよ。」と言われました。この時、「これで私も助かるのか」と思い、正直涙が出る思いでした。
  4. ところが、1月22日の土曜日の午後6時頃と思いますが、中年で大柄の男が突然自宅に来ました。その男は、アイフルの社員でした。
     冬の午後6時、外は真っ暗で、まさか土曜日の夜にサラ金が来るとは思っていなかったので大変驚きました。私の自宅は古びたアパートで四畳一間と狭く、隣との壁は、薄い板で仕切られ隙間があるほど古い部屋です。大きな声を上げられると近所迷惑になるかもしれないと思い、しかたなく玄関に入ってもらいました。
    アイフルの社員の名前はその時は、気が動転していて聞きませんでした。
     その社員は、私にいきなり「今日は支払って欲しい。」と言ってきましたので、私は、「25日の火曜日に相談するところがあるので月末まで待って欲しい。」と返事をしました。これは,先ほど言ったように,25日に弁護士の先生のところに行くことになっていたからです。
     すると社員は、「せっかく来たんだから、払ってもらわなければ帰らない。待てるくらいなら今日は来ない。」と激しい口調で言い、しかも、上から見下ろされ、威圧(いあつ)するように言ってくるので正直恐怖心を感じました。私は、怖いので何とか帰って欲しいという気持ちと、近所に聞こえたら恥ずかしいという気持ちもあって、社員に何度も何度も「すいません。今日は帰って下さい。」と言いましたが、社員は「帰るくらいならわざわざ来ない。」と繰り返し言って帰ろうとはしませんでした。
     しかたがないので、私は財布の中を見せながら「私は、生活保護を受けながら生活しています。もう支払えるお金はありません。」と何度もくり返し言いましたが、「どないしても持って帰らなあかん。」と激しい口調で言われました。私は、社員の執拗(しつよう)な態度にますます恐怖心と、どうしてもすぐに帰って欲しい、この場から逃れたいとの思いから財布の中のなけなしの5000円を社員に渡しました。社員はその5000円を受取ると帰って行きました。この間、十数分のこととは思いますが、私には何時間にも感じられ、その間体が硬直し、社員が帰った後は恐怖で震えが止まりませんでした。
  5. 私には、難しいことは分かりませんが、生活保護は「人間らしく生きる権利」から導かれたもので、「健康で文化的な最低生活」を保障するものと聞きました。私にとって5000円というお金は、まさに最低生活に必要なお金でした。この5000円を持って行かれたことから、私は知人の援助を受けざるを得なくなったのです。
     アイフルは、とても大きな会社で有名な会社で、私でさえも知っています。テレビのコマーシャルでもよく見ますし、親身になって何でも相談に乗ってくれそうな、とても良いイメージがありました。
     でも、違っていました。私のような弱い人間にも、容赦はありません。私のような人間の最後のよりどころのなけなしのお金も自分の利益のために持って行きました。私のような人間には、食べるためのお金を持つ事も認められないのでしょうか。借金があれば、食べることよりもお金を返すのが先なのでしょうか。私のような人間には、最低生活する資格さえないのでしょうか。
     今は、とても激しい怒りと、悲しみを感じています。
     裁判所には是非公正な判断をお願いいたします。
以上