アイフル被害対策全国会議

消費者信用団体生命保険訴訟

6月5日神戸地裁にて消費者信用団体生命保険訴訟(被告アイフル及び被告明治安田生命)の第1回口頭弁論期日が開かれ原告が意見陳述をしました。

原告Aさんの意見陳述書を掲載します。


意 見 陳 述 書

2006年6月5日

平成16年8月31日午前6時過ぎ私の携帯が鳴りました。
「お母ちゃんが、首を吊って死んでまいよった」
 事実を受け止められず、数分して、夫に電話をしました。殆ど無意識の状態で、B市にある母の自宅に行き、冷たくなった母にあいました。枕元には母が最期の時に使った腰紐と日本手ぬぐいがありました。
平成16年8月31日、死亡推定時刻午前2時頃、台風による停電の中、母は押入れの天袋の柱に腰紐と日本手ぬぐいを掛けて自らの命に終止符を打ったのでした。
「子どもを大切にしてください。」
そんな一言だけを私に残して逝きました。

 49日を前に、母の「遺品」として、渡された中にアイフルを含めいくつかの消費者金融の書類がありました。母は自殺をする1週間前にある貸金業者には1000円の返済の為に、3000円はかかるであろう交通費を使って大阪に行っていました。その書類を見て改めて、自分を責めました。
私自身も前夫の事業の失敗から自らが多重債務に陥り、精神的に追い詰められ、リストカットを繰り返した日々がありました。自分自身を奮い立たせる為に多重債務相談会の相談員として活動をしていました。それが生きがいにもなっていました。その一方で、私は自分の母を救えなかったのです。
ショックのあまり精神的にも不安定になり当時務めていた司法書士事務所を辞め殆ど放心状態の中、朝日新聞の「自殺者3万人の時代に」と言う記事を目にしました。母の話をする事で、自殺者が一人でも減ってくれればと言う思いでした。それが採用され立ち直ろうとしていた矢先、アイフルからの「ご依頼書」が届きました。ようやく前を見ようとしていた心は、母が逝った「あの日」に逆戻りをしました。文書は事務的でそれなりに丁寧なものではありました。しかし、「死亡原因縊死」と書かれた死亡診断書は、私には言い表せないほど辛いものでした。

母の債務は本当にあるのか?そんな思いもあり、アイフルに母の取引履歴の開示を求め、利息制限法に基づき計算しました。
わずかばかりではありますが母の借金は過払いになっていたのです。
アイフルからの当初の書類には、母には50万近くの債務が有るように記載されており、本当は払い終わっているのに、アイフルはなおも保険金を受け取ろうとしていたのです。
約款に消費者信用団体生命保険の記載はあるものの、虫眼鏡を使ってしか読み取れないその文字を母だけでなく、借り入れをしようとしている人が、どれだけ納得しているのでしょうか?その記載だけで「同意」となるのでしょうか?どこの会社の保険であるとも知らされず、無意識で加入させられている・・・これはまさに「保証人不要です。担保?それはあなたの命です」というのも同じではないでしょうか?

母が自殺をした2004年、経済苦による自殺者は8000人と発表が有りました。豊かであるはずの日本で借金を苦にした自殺者が8000人にもなるのです。自殺未遂者を入れる数万人になります。そこまで、人を追い詰める消費者金融が保険を受け取る。その消費者信用団体生命保険の実態を明らかにしていただきたい。今回の裁判で、多重債務・高金利と自殺についてお考え戴きたいのです。電話の音に怯え、訪問者に怯え自らの命を絶つ人が減ってくれるよう。人間の「命」について考えていただきたい。
 最後に申し上げます。被告アイフルにとっては単なる「払いの悪いばあさん」であった「●● ●●」ですが、私にとっては何者にも代えがたい。大切な母でした。今回の提訴はもの言わず逝ってしまった母の死にこたえていくため、又、今現在多重債務で苦しんでいる方に生きていって欲しいとの思いを込めて決意いたしました。裁判所におかれましては是非公正な裁判をよろしくお願いいたします。本日は意見陳述の機会を与えていただきましてありがとうございました。

以    上