アイフル被害対策全国会議

アイフル違法不動産担保久留米事件

弁護士 椛 島 敏 雅
  (福岡南法律事務所092-554-7110)

 8月16日、88才の認知症の女性(女性は本年7月13日、法定後見の開始決定の審判により長女が成年後見人の法定代理人)が、アイフル(株)を相手に、自己の不動産に設定された根抵当権設定登記の抹消登記手続及び違法な根抵当権設定による精神的苦痛の慰謝料金250万円並びに弁護士費用50万円の支払いを求める訴訟を福岡地方裁判所に提訴しました。

 この事件は、平成16年5月20日にアイフルが原告女性と同居の長男に金760万円を貸し付ける際、母親の自宅不動産に根抵当権設定登記をしているものです。しかし、原告女性は、平成15年5月に転倒して意識障害のケガを負い、平成16年5月4日には近医の内科・精神科医師によって「意思疎通が不良で短期記銘力低下」の認知症の診断を受けていたものです。

 平成15年5月19日に、アイフルの久留米店の社員と福岡市内の司法書士が長男に同行して、原告女性宅で根抵当権設定登記の委任状を女性から徴求していますが、その際、原告女性は、自己の不動産に根抵当権を設定することや、設定委任状の意味を全く理解できておらず、又、委任状用紙には、約10回ほど書き直した後、ようやく本人の氏名だけが判読できる委任状を取り、実印は長男がアイフル従業員に渡し、原告女性の氏名の右横に押印しているものです。この委任状の取得は、本年4月14日、近畿財務局より委任状の偽造等を理由に業務停止の行政処分を受けた時の内容に極めて近似しており、原告女性の長男とアイフルの社員らによる私文書偽造の共同正犯とも評価できる行為です。

 このアイフルによる違法な根抵当権設定行為は、2005年6月30日、アイフルの自宅不動産に対する競売開始決定がなされ、それが自宅に送達されて、原告女性の長女がたまたまこれを知って発覚したものです。もし、長女が気づかなかったなら、競売は実行され、原告女性は自らの住居不動産をアイフルによって競売され、住居を失うことになっていたと思われます。

 原告女性の長女は、発覚後、法定後見開始前の保全処分により、抵当権実行禁止の仮処分を申し立てましたが、その決定が出る前にアイフルは自らの非を認めるかのように、競売申立を取り下げています。

 尚、この事件の主任は、久留米第一法律事務所の高峰真弁護士(久留米第一法律事務所0942−38−8050)です。