「おまとめローン」取扱の適正化の確保を求める決議
最近貸金業者や銀行等が、複数のサラ金・クレジット債務を有するに至った債務者を対象に、「債務を一本化」「金利も有利」として高額の返済資金を融資する「おまとめローン」というような名称の商品を売り出している。多重債務を一本化する「おまとめローン」は、負債の把握を簡明化し、計画的な返済を可能とし、負担する金利を低減するという意味で一見合理的な方法であるようにも思えるが、現実に行われている「おまとめローン」は、以下の通り問題が非常に多い。
- 債務者が、債務の一本化を必要と感じた時とは、客観的には既に多重債務に陥っている場合が多い。これらの債務者には、多重債務による窮状を先延ばし・悪化させる一本化ではなく、早期に弁護士・司法書士などの法律専門家のもとで法的救済を受けることこそ必要である。「おまとめローン」は多重債務者が適時に法的救済を受ける機会を奪うのである。
- サラ金・クレジットの債務は、ほとんどの場合、利息制限法所定利率を超える約定利息によって貸しつけられたものである。債務者は、利息制限法制限金利に基づく法定充当再計算により債務を減額することができるし、更には債務が消滅・過払となっている場合も少なくない。ところが現在行われている「おまとめローン」においては、借主が有している負債について利息制限法に基づく再計算を行うことなく、約定債務額を全額返済させている。その結果、債務者は利息制限法に基づく法定充当再計算の機会・権利を事実上奪われるとともに、本来であれば返済義務のない負債を負担せしめられてしまうことになるのである。
- 「おまとめローン」では多くの場合、連帯保証人を要求し、不動産に抵当権・根抵当権を設定させたりするなど、債務を負担していない第三者に過重な債務負担を拡散させてしまう危険を有している。特に「おまとめローン」を必要とするものは返済能力のない者が多く、貸付当初より連帯保証人の資産を略奪することを目的とした貸付となりがちである。また主債務者の負債額や返済能力について連帯保証人に隠蔽されがちとなる。
- 「おまとめローン」では、金利の軽減をうたうものが多いが、貸付金額が数百万円という高額となるため、仮に利息制限法上限金利である年率15%程度に軽減されたとしても、債務者にはなお大きな負担となる。そして月々の返済額が債務者の収入や返済能力を全く考慮されずに設定されていてたり、債務者に一本化されない別債務が存在していたなどのため、2〜3ヶ月後には返済に行き詰まってしまうことが多い。
以上のように、「おまとめローン」には看過しがたい問題が多数存在している。そこで「おまとめローン」が社会的に許容される商品となるために、少なくとも
- 借主の返済能力を超える過剰融資とならないようにすること。返済能力を超えるおそれがある場合は、一本化を実効せず、負債の法的処理をなすことを助言すること。
- おまとめの対象となる負債を正確に調査・把握し、利息制限法に基づく法定充当再計算を必ず行い、法的に有効な債務額を明らかにすること。
- 連帯保証人や不動産担保提供者には債務者の負債総額や返済能力を十分に説明し、保証契約や担保提供によるリスクを理解させること。債務者の返済能力を超える貸付となる場合には、連帯保証人をつけたり、あるいは不動産担保を求めないこと。
の確保を「おまとめローン」取扱金融業者に強く要求する。
以上決議する。
2005年7月9日
全国クレジット・サラ金問題対策協議会拡大幹事会