アイフル被害対策全国会議
2005年世界柔道選手権大会における
アイフル株式会社のスポンサー契約中止に関する申入書
財団法人全日本柔道連盟 御中
2005年9月7日
アイフル被害対策全国会議
代  表  弁護士 河 野  聡
事務局長  弁護士 辰 巳 裕 規
 私たちは,消費者金融大手のアイフル株式会社による被害が全国各地で発生していることを懸念する,全国クレジット・サラ金問題対策協議会(代表幹事 甲斐道太郎,事務局長 弁護士木村達也)所属の弁護士・司法書士・被害者の会が中心となって結成された団体です。
 貴財団法人全日本柔道連盟主催にかかる2005年世界柔道選手権大会に消費者金融のアイフル株式会社がスポンサーになっていることについて下記の通り申し入れします。
申 入 事 項
1.2005年世界柔道選手権大会についてアイフル株式会社のスポンサー契約を直ちに中止すること。
2.今後行われるその他の柔道大会についても消費者金融会社並びにアイフル株式会社とのスポンサー契約をしないこと。
申し入れの理由
1.私たちは貴全日本柔道連盟の皆様にサラ金被害の実態を直視し,サラ金CMのもたらす影響を考えていただきたいと思っています。
2.平成17年4月16日当会議設立集会開催以降,全国各地の一般市民からアイフルによる貸金トラブルに関する相談が多数寄せられています。アイフルは,様々な社会的問題を引き起こしている「問題企業」であり、その被害事例の詳細については,別紙資料に掲載しておりますが,とりわけ,アイフル株式会社社員による取立て被害では,陰湿な言葉の暴力により債務者の人権を貶め人間としてのプライドを根本から奪い,毎日長時間繰り返される執拗な取立てにより正常な判断力さえ奪っていく実態が明らかにされています(資料1〜資料4)。また,アイフル株式会社が主力商品の一つとしている不動産担保ローンにおいては,もとより借主や保証人の不動産を目当てとした「略奪的貸付」と評価せざる得ないものも多々あり,支払義務のない者を新たに連帯保証人兼物上保証人に仕立て上げ,全聾の聴覚障害者,視覚障害者,認知症者など社会的弱者の自宅に担保権を設定し,彼らの生活基盤さえ奪おうとしているのです。(資料5〜資料6)。
 そもそもサラ金業者は強行法規たる利息制限法に違反する高金利貸付を行なっています。しかし,サラ金のCMにおいては,約定利息が利息制限法に違反していることは一切示されず,違法・無効な約定利息があたかも適法・有効であるかのように示されているのです。
 私たちはこのような実態に鑑み、新聞・テレビ・マスコミ各社に対し,サラ金の広告・CMは、自粛・中止すること,特に「アイフル」の広告・CMは即刻中止することを強く求めています。
3.さて、日本において柔道は高等学校などの体育実技教科にもなっており、日本の伝統的スポーツであることは今更言うまでもありません。その柔道の世界選手権大会において,選手達が試合に取り組むすがすがしい姿の後ろには,サラ金のアイフルの広告が堂々とかかげられ,テレビ中継の合間には,アイフルの親しみやすいイメージだけを強調したCMが流されています。このことは,貴全日本柔道連盟が「アイフル」の宣伝に一役かっていることになり,ひいては「安易に借金をする風潮を助長し、子供や若者の金銭感覚をゆがめる」ことにつながります。
4.長引く経済不況の中で,クレジット・サラ金などを利用して多重債務に陥る人々は,多少明るさが見えてきた最近の経済状況にあっても,劇的に減少することはありません。平成16年度の自己破産申立て件数は,全国で21万件に達し,借金に苦しんでいる人が150万人〜250万人はいると推定されています。自殺者3万人といわれる状況下で「経済苦・生活苦」などを原因とする自殺者は9000人近くに達しています。借金をしたばかりにサラ金・ヤミ金からひどい取立を受け、自殺している庶民の姿が伺え、本当に痛ましい限りです。
5.マスメディアによる「サラ金など高金利の借金を積極的に勧誘する広告の氾濫」が「過剰利用を誘発する」うえで大きな影響を与えています。
6.放送と青少年に関する委員会は、サラ金の広告・CMについて,「お金がなければ借りればよい」というメッセージを伝えるものであり「安易に借金をする風潮を助長し、子供や若者の金銭感覚をゆがめる」と批判し、「17時から21時までの時間帯はサラ金CMの自粛」を呼びかけるなど青少年保護の観点からサラ金CMの問題点を指摘しています。テレビ局もこの批判に応えて「17時から21時までの時間帯はサラ金CMの自粛」をしています。しかし,本当に青少年に与える悪影響を考慮するならば,サラ金のCMは全面的に中止すべきではないでしょうか。しかも,伝統的な柔道の試合となれば,幅広い年齢層の視聴者が注目し熱い声援を送っています。そのような番組の中で,もしくはその合間に,サラ金のソフトなイメージが強制的にしかも無差別に視聴者に植えつけられてしまうということは,今や深刻な社会問題となっている多重債務の構造的被害を助長し,ひいては借金を苦に自ら命を絶たざるをえない者や借金を原因とする犯罪をも生み出す要因を作り出しているとも言え、極めて重大な問題です。このことをよくお考えいただきたいと思います。
7.以上の理由から私たちは貴全日本柔道連盟に対し上記申入事項を直ちに実行するように強く要請するものです。
以上