アイフル被害対策全国会議

訴  状

2006(平成18)年8月 日

福岡地方裁判所久留米支部 御中

                    

原告訴訟代理人
弁護士   高  峰     真
 同    馬奈木   昭  雄
 同    紫  藤  拓  也

〒      福岡県
       原     告      
       上記成年後見人      
〒830-0032  久留米市東町1−20 大和ビル2階
       久留米第一法律事務所 ( 送達場所 )
       上記訴訟代理人弁護士    高  峰     真
            同        馬奈木   昭  雄
            同        紫  藤  拓  也
           電 話 0942−38−8050
           FAX 0942−38−0850
〒815-0041  福岡市南区野間1−10−7 野間リッチハイツ2階
       福岡南法律事務所
            同        椛  島  敏  雅

〒600-8105 京都市下京区烏丸通五条上る高砂町381−1
        被     告      アイフル株式会社
        上記代表者代表取締役   福  田  吉  孝

請求事件
訴訟物の価額 金 円
貼用印紙額

第1 請求の趣旨
1 被告は、原告に対し別紙物件目録記載の不動産についての平成16年5月20日福岡法務局久留米支局受付第8462号根抵当権設定登記の抹消登記手続をせよ。
2 被告は、原告に対して、金300万円及びこれに対する平成16年5月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え
3 訴訟費用は被告の負担とする
との判決並びに仮執行の宣言を求める。

第2 請求の原因

1 当事者

(1)原告に対し、平成18年7月13日、福岡家庭裁判所久留米支部において後見を開始する審判がなされ、訴外   が成年後見人に選任された。

 上記審判では、その理由中において、「平成16年ころから疎通性が悪くなり、認知症の症状が現れるようになっていた」と判断されている(以上、甲2)。

(2)被告は、消費者金融事業等を目的とする株式会社である。

2 抵当権設定登記抹消登記手続き請求について

(1)原告は、別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)を、所有している(甲1の1ないし3)。

(2)本件不動産には、福岡法務局久留米支局受付で、平成16年5月20日、被告を根抵当権者、原告の長男である訴外  (以下「訴外洋」という。)を債務者、極度額を1,220万円とする、別紙登記目録記載の共同根抵当権(以下「本件根抵当権」という。)が登記された(甲1の1ないし3、以下「本件根抵当権登記」という。)。

(3)しかし、本件根抵当権登記は、以下のとおり、原告の意思に基づかずになされたものであり、無効である。

(i)意思無能力無効

ア 原告は、平成9年ころから高血圧症が認められ、平成15年5月には、道で転倒して意識障害が生じる怪我を負っていた。そして、平成16年5月14日、池尻医院に来院した時には、疎通が不良で短期記銘力低下が認められていた(甲3)。

イ そのような中、平成16年5月19日、被告の従業員及び被告から依頼を受けた訴外入船榮一司法書士が原告の家を訪れ、訴外洋とともに、原告に内容を説明しないまま、本件根抵当権を設定についての委任状に署名させようとした。

しかし、原告は、本件不動産に根抵当権を設定するということや、上記委任状の意味を全く理解できなかった。そこで、被告の従業員や、息子である訴外洋が、原告が内容を理解できないままでも委任状に署名させようと、訴外洋が紙に大きく原告の名前を書き、そのとおりに署名するように原告に指示した。原告は、そのとおりに署名しようとしたが、読めるような字が書けなかったので、何枚も書き直し、10枚くらい書いた後にようやく読めるような字で委任状に名前を書いた(甲6)。そして、訴外洋が原告の実印を被告の従業員に渡し、それを被告の従業員が委任状に押した。

以上の間、原告は、本件不動産に根抵当権を設定するということや、上記委任状の意味を一切理解していなかった(以上、甲4)。

ウ その上で、平成16年5月20日、訴外入船司法書士が上記委任状を利用して、本件根抵当権設定登記の申請を行った(甲7)。

エ 以上のとおり、本件根抵当権設定登記は、原告の意思に基づかずになされたものである。

オ なお、被告は、平成18年4月14日、近畿財務局より、委任状の偽造、違法取立等を理由に最大25日間の業務停止を命じられる行政処分を受けた(甲10)。

(ii)公序良俗違反無効

 本件不動産担保ローン契約当時、原告   は、○○歳と高齢でありまた、月額○○円に満たない年金収入しかなかった。この不動産は、高齢者である    が余生を過ごす不可欠の生活基盤である住居でもあった。

しかるに、被告は原告の長男である訴外洋に同人が到底返済できない金額を貸し付け、原告の不動産について金1,220万円もの極度額の被担保債権額を設定することは、明らかに高齢者である原告が余生を過ごすべき生活基盤である住居を狙った不法な目的を持った融資及び担保設定行為であり、また、長男である訴外洋の返済能力を超えた過剰な融資であり、貸金業規制法13条1項に違反するだけでなく、本件不動産担保ローン契約は、全体として民法90条の公序良俗に違反し無効である。

(4)被告は、上記抵当権設定登記に基づき、本件不動産について担保不動産競売を申し立て、平成17年6月30日、開始決定がなされた(甲8)。

しかし、原告の財産管理人に選任された訴外   が抵当権実行禁止の仮処分を申し立てたところ、その決定がなされる前に、被告は、上記競売申立を取り下げた。

(5)よって、原告は、被告に対し、本件不動産の所有権に基づき、本件根抵当権設定登記の抹消登記手続を求める。

3 損害賠償請求について

(1)上記のとおり、原告は、被告の従業員によって、その意思に反して無理やり本件不動産に根抵当権を設定された。

そして、被告により、本件不動産について、その無効な根抵当権設定登記に基づき競売の申し立てをされ、住居を失う危険を感じさせられた(甲8)。

(2)上記被告従業員の違法行為により、原告は以下の損害を受けた。

ア 慰謝料     250万円

自己の不動産に根抵当権をつけられ、住居を失う危機を感じさせられた原告の精神的苦痛は絶大であり、その苦痛を慰謝するのに必要な金額は250万円を下らない。

イ 弁護士費用    50万円

原告は、被告に対し、本件根抵当権設定登記の抹消登記及び慰謝料を請求するため、本件訴訟を提起せざるを得なくなったが、その弁護士費用としては50万円が相当である。

(3)上記被告従業員の違法行為は、貸金に伴う担保の設定業務の一環としてなされており、被告の業務の一環として行ったものである。

(4)よって、原告は、被告に対して、不法行為に基づく損害賠償として、300万円の支払いを請求する。

4 よって、原告は、請求の趣旨記載の判決を求める次第である。

証  拠  方  法

1 甲第1号証の1ないし3全部事項証明書
2 甲第2号証審判謄本
3 甲第3号証診断書
4 甲第4号証陳述書
5 甲第5号証電話聴き取り報告書
6 甲第6号証登記申請書添付の委任状(写真)
7 甲第7号証の1ないし3登記申請書(写真)
8 甲第8号証担保不動産競売開始決定正本
9 甲第9号証陳述書(尾形隆子)
10 甲第10号証近畿財務局によるアイフル株式会社の業務停止についての説明資料

附  属  書  類

1 訴状副本1通
2 甲号証(写)各1通
3 訴訟委任状1通

物 件 目 録

所  在福岡県
地  番751番
地  目宅地
地  積702.40平方メートル
 
所  在福岡県
家屋番号751番の1
種  類居宅
構  造木造瓦葺平家建
床面積128.81平方メートル
 
所  在福岡県
家屋番号751番の2
種  類倉庫
構  造木造瓦葺平家建
床面積56.00平方メートル

登記目録

受付年月日・受付番号福岡法務局久留米支局
平成16年5月20日受付第8462号
原因及びその日付平成16年5月19日設定根抵当権
抵当権者京都市下京区烏丸通五条上る高砂町381−1
アイフル株式会社(被告)
極度額1,220万円
債権の範囲金銭消費貸借取引
債務者福岡県
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