アイフル被害対策全国会議

消費者信用団体生命保険の運用実態の
徹底解明を求める声明

2006年9月28日

アイフル被害対策全国会議
代 表 弁護士 河野  聡
事務局 弁護士 辰巳 裕規
神戸市中央区東川崎町1−3−3
神戸ハーバーランドセンタービル10階
神戸合同法律事務所内
TEL078-371-0171/Fax078-371-0175
URL:http://www.i-less.net

 私たちアイフル被害対策全国会議は、これまで消費者信用団体生命保険の問題について取り組んで参りました。経済苦を理由とする自殺者が年間約8000人という我が国の異常な状況下で、多重債務を作出する側の貸金業者が受取人となる消費者信用団体生命保険は公序良俗に反するのではないか、商法上求められている被保険者の同意が得られていると評価できないのではないか、利息制限法を超過する高金利を保険により回収することは違法ではないか、など消費者信用団体生命保険には多くの問題があると考えています。しかしながら、消費者信用団体生命保険については情報が極めて乏しく、その運用実態はこれまでほとんど知らされてきませんでした。借り主死亡を理由とする保険の支払件数、とりわけ自殺を原因とする保険の支払件数、保険料などについて消費者金融大手各社や生命保険会社は回答を拒否したままでした。

 ところが、この消費者信用団体生命保険について社会的批判が高まるや否や、消費者金融業者はにわかに保険をとりやめる動きを見せ始めました。保険料負担に加えて借り主に対する意思確認手続が厳格化されることによるコスト増を嫌ったものと報じられています。これまで消費者金融各社は、消費者信用団体生命保険制度は顧客のためのサービスであると説明してきましたが、顧客の意思確認手続が厳格化・適正化されることに伴う当然の負担を回避する姿勢には疑問を感じざるを得ません。また保険打ち切りにより保険料負担が無くなるのであれば、それに対応する貸付金利の即時引き下げを表明すべきであるのに、現時点では貸付金利を引き下げる旨を表明した消費者金融があるということは聞き及んでいません。詰まるところ、自らの負担軽減のことばかりを考えていると言わざるを得ません。また、消費者信用団体生命保険の実態解明を回避する意図すら感じられてなりません。

 そもそも消費者信用団体生命保険がこれまでどのように運用されてきたのか、その実態が明らかにされておりません。命を担保に取る消費者信用団体生命保険を中止するとしても、これまで消費者信用団体生命保険制度がどのように運用されてきたのかを説明する社会的責任を消費者金融業者が免れるものではなりません。被保険者の死亡率・自殺率・保険料など客観的データを明らかにした上で、制度の社会的正当性を吟味する必要があります。そこで私たちは、消費者金融業界・生命保険業界及び金融庁に対し、消費者信用団体生命保険制度の運用実態の徹底解明とその情報公開を強く要請いたします。

 また、

1.保険を廃止するのであれば、貸付金利を直ちに引き下げること。利息制 限法を遵守した貸付をすること。

2.保険請求あるいは借り主やその遺族に対する請求をする際には利息制限 法に基づく法定充当再計算を必ず行い、法律上有効な債務額以上の返済を 求めないこと。過払金があれば借り主にすすんで返還すること。

3.まずは借り主の自殺を生まない貸付を行うこと。借り主の生活破壊を招 く高金利による貸付・過剰融資・過酷な取立を行わないこと。

4.借り主死亡の場合は残債務があればこれを放棄すること。

 を要請いたします。

 現在、貸金業規制法の見直しに伴い、特例高金利・利息制限法制限利息の金利区分の引き上げなど高金利恒久化法案が政府・与党より提出されようとしています。政府・与党は高金利問題が借り主の命にかかわる重大な問題であることを自覚し、貸金業界擁護ではなく借り主の生活・事業・生存を守るという視点から、特例高金利・利息制限法引き上げという暴挙を直ちに撤回し、例外無き金利引き下げを実現することを強く求めるものです。

以   上