アイフル被害対策全国会議

2007年8月31日

金融庁監督局総務課金融会社室  御中

アイフル被害対策全国会議
代 表 弁護士 河野  聡
事務局 弁護士 辰巳 裕規
神戸市中央区東川崎町1−3−3
神戸ハーバーランドセンタービル10階
神戸合同法律事務所内
TEL078-371-0171/Fax078-371-0175
URL:http://www.i-less.net

「貸金業者向けの総合的な監督指針(案)」に対する意見書

 私たちは、これまでアイフルの主力商品である不動産担保ローンによる被害に取り組んで参りました。貴庁が平成19年8月3日付けで公表された「貸金業者向けの総合的な監督指針(案)」について不動産担保ローン被害防止の観点から次のとおり意見を述べます。

1.「Ⅱ−2−2 顧客情報の管理」「(1)主な着眼点」「⑤」「(注)」(信用情報の目的外利用)について

【意見】

賛成である。

【理由】

 (注)では、「途上与信を行うために取得した個人信用情報を勧誘に二次使用した場合や個人信用情報を内部データーベースに取り込み当該内部データーベースを勧誘に利用した場合であっても、返済能力の調査以外の目的での利用に該当する」とされているが賛成である。不動産担保ローンを取り扱う貸金業者の中には、過剰融資防止のためだけに用いるはずの信用情報を他の顧客情報とともにデーターベース化して「リスト」を作成し、大口融資が獲得できる不動産担保ローンの勧誘に転用してきた。複数の貸金業者に負債を抱えるに至った顧客に対して、いわゆる「おまとめローン」として借り入れの一本化を勧誘する手法もあり、その結果、借主や保証人の生活基盤たる不動産を奪われるという被害も散見された。今般、信用情報を組み込んだ顧客の借入情報のデーターベース化・リスト化が、信用情報の目的外利用に該当する旨を明示したことは、不動産担保ローン被害・おまとめローン被害の予防に役立つものであり賛成である。

2.「Ⅱ−2−8 禁止行為等」「(2)留意事項」「②」(法12条の6第4号の例示について)

【意見】

 禁止行為の例示(イないしニ)に、「資金需要者等の知識・経験・財産の状況及び貸付けの契約の締結の目的に照らして不適当と認められる契約を締結すること」を追加すべきである。

【理由】

 貸金業法16条3項は、いわゆる「適合性の原則」を貸金業法の分野においてはじめて明文化したものであり評価できるが、これを実効化するために、法12条の6第4号に該当する行為として、適合性の原則に違反する契約を締結する行為を追加すべきである。確かに、「ニ」では「資金需要者等が身体的・精神的な障害等により契約の内容が理解困難なことを認識しながら契約を締結すること」とあるが、適合性の原則を欠く場合は、資金需要者等が障害を有することにより契約の内容が理解困難な場合に限定されるものではない。高齢者・年金生活者・生活保護受給者などにおいても不適切となる場合があるし、借入金額や金利そして保証や不動産担保の提供の場合など契約内容に照らして適合性を欠く場合もある。特に、高齢者が連帯保証人となり生活基盤である居住用不動産を担保に提供する場合などは原則として適合性を欠くと言える。そこで、適合性の原則を欠く契約一般について禁止行為とすべきである。なお、いかなる場合に適合性を欠くこととなるのか当該監督指針や自主規制等において具体化すべきである(経済産業省:商品先物取引の委託者の保護に関するガイドライン参照)。

3.「Ⅱ-2-9 勧誘及び契約締結時の説明態勢」「(1)主な着眼点」「②」「ニ」(物的担保を徴求する場合の説明)

【意見】

 物的担保を徴求する場合においても「最悪のシナリオ」を生々しく説明する旨を明記すべきである。

【理由】

 「ハ」の保証契約の説明と同様に、物的担保提供者に対し、「最悪のシナリオ」を説明するにより物上保証の法的効果とリスクを具体的に理解させるべきである。なお「最悪のシナリオ」の説明の際には、当該貸金業者の顧客において不動産競売や任意売却に追いやられた事案やこれをさけるために親族等が返済資金の用立てを強いられた事案など具体的事例を示させるとともに当該貸金業者の顧客においてどれくらいの割合においてかかる事態が発生しているかを示させるべきである。

4.「Ⅱ2-2-10 過剰貸付けの禁止」「②」「ホ」(物的担保徴求の場合の返済能力の調査)について

【意見】

 「担保提供者が、当該担保物件を喪うこととなった際の生活方法について明確かつ具体的な認識を有していることを確認し、その内容も合わせて記録すること」を追加すべきである。

【理由】

 「現行ガイドライン3-2-1過剰貸付の防止(5)」では、当該担保物件を換価する場合に、換価後の時期や換価後の生活方法について確認する旨を定めている。確かに、改正法下においては、収入の3分の1規制(法13条の2の第2項)などにより、不動産担保の換価を前提とした「略奪的な貸付」に対する規制はなされているところであるが、物的担保を徴求する貸付自体は禁止されているものではない以上、「万が一」の担保権実行(あるいは任意売却)の際の生活方法についての確認は引き続き行わしめるべきである。

以   上