アイフル被害対策全国会議
期限の利益当然喪失特約及び遅延損害金規制を求める意見書
〜シティズ最高裁平成21年9月11日判決を受けて〜

2009年9月14日

アイフル被害対策全国会議
代表 弁護士 河 野   聡
(連絡先 神戸合同法律事務所
電話078-371-0171・FAX078-371-0175
アイフル被害対策全国会議事務局長
弁護士 辰 巳 裕 規
URL:http://www.i-less.net)

第1.意見の趣旨

1.シティズに対しては期限の利益喪失の主張を直ちに止め、利息制限法1条に基づく充当引直計算により自主的に顧客との取引を洗い直すことを求める。

2.期限の利益「当然」喪失特約を禁止し、「催告」と「相当期間の経過」を期限の利益喪失のための手続要件とすべきである。

3.主債務者が遅滞に陥った場合には、期限の利益を喪失させる前に、保証人に対して遅滞の事実を通知し、保証人において期限の利益を維持する機会を与えるべきである。

4.利息制限法4条の損害金の上限は同法1条の制限利息と同率とすべきである。

第2.意見の理由

1.最高裁は平成21年9月11日に、アイフル子会社商工ローン「シティズ」が「期限の利益当然喪失特約」を悪用し「遅延損害金」名目で利息制限法違反の高利を徴求し続けている問題について、シティズの期限の利益喪失の主張が信義則に違反するとしてシティズの上告を棄却する判決をなした(高松高裁事件については審理不尽として破棄差し戻しとなっている)。

 シティズは、最高裁上告棄却事件と同様の取引形態を全国で展開しているのであり、顧客に期限の利益を喪失していないとの誤信を惹起し、顧客が誤信して支払を続けていることを知りながら、その誤信を解くことなくそのまま放置して損害金名目で高利を収受しているのであるから、今後多くの事件において、シティズの期限の利益喪失の主張は信義則に違反すると判断されるものと確信している。シティズは、経営縮小のために既に新たな融資を止めている模様であるが、顧客保護の見地から、期限の利益喪失の主張を直ちに撤回し、利息制限法に基づく充当引直計算により自主的に顧客との取引を洗い直すべきである。そして過払金が存する場合時は自主的に顧客に返還すべきである。

2.ところで、シティズのように期限の利益喪失の事実を秘し、遅延損害金名目で高利を収受するトラブルだけでなく、SFCGのように約定どおり弁済しているにも関わらず顧客に一括請求をし貸しはがしを行うなどの問題も期限の利益「当然」喪失特約においては発生している。長期継続的取引においては、支払期日を若干遅滞したり、一部入金不足を生じることはむしろ通常であり、債権者もそのことを許容している。そして期限の利益(分割弁済の権利)は、債務者に極めて重要な権利であるから、その喪失手続は債務者・保証人の不意打ちとならないように厳格に定められなければならない。期限の利益喪失に際しては、少なくとも「催告」及び「相当期間の経過」が手続要件とされるべきである。期限の利益「当然」喪失特約は債務者に一方的に不利益かつ過酷な条項であるから、割賦販売法5条が20日以上の相当な期間を定めて催告することを契約解除等の要件としていることなどを参考とし、少なくとも貸金取引においては期限の利益「当然」喪失条項は無効とされるべきである。

3.なお、主債務者が遅滞に陥った場合にも保証人が期限の利益を維持して分割弁済を継続することができるように、期限の利益を喪失させる前に、保証人に対する遅滞の事実の事前通知を義務づけるべきである。

4.さらに、損害金の上限が制限利息を上回っている現行利息制限法4条のもとでは、貸金業者が債務者を遅滞に陥らせることにより、損害金名目で利息制限法1条の制限利息を脱法を試みる弊害がある。利息制限法4条の損害金の上限は同法1条の利息制限と同率とすべきである。

以   上